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小さな蕾
早くこの手を離してください。


「なぁ侑也。自分なんで謙也が好きなん?」

『…』

「あ、その顔かわええ」
『なんやねん急に。白石君には関係ないやろ』
「えーめっちゃ気になるやん。」
『ちょ、くっつくなハゲ!』

「話してくれるんなら離しちゃる!」

『全然上手くないでそれ! …まあええわ。

僕な、始め謙也君のこと大っ嫌いっだったんや。』


「は…?」
『なんやいっつもヘラヘラしとって全然兄ちゃんぽくあらへんしヘタレやし。』
「(凄い言われようやな…)」
『それに一緒にお風呂に入りたがって煩いし、いつまでたってもおんなじ部屋やしうっといし。はっきり言うと嫌いやった。 やけど…その考えが変わったんわ中学上がった時やった。』
「(待て待て待て!そうなると謙也は侑也に中1までうざがられとったってことやないか!軽く流したらあかんで!)」


『僕のな、髪の毛って自毛やねん。染めたことないし。せやから中学上がると先輩に絡まれてな。』




「なんや1年坊主。」
「綺麗な髪の毛しとるなぁ。ああ?」
「調子乗っ取るんやない?」
「お前のその色。鉄ちゃんとかぶるんや」




『体育館裏に呼ばれてな。なんや頭カラフルな先輩らにそう言われてさ。 いやや ゆうて断ったら押し倒されて』

「誰やあああああああ俺の侑也押し倒したんはああああああああ!」

『その時に助けえくれたんが謙也くんや』


「侑也の髪は金やあらへん。オレンジや!」

『そういうてボロボロになりながら俺を守ってくれたんや』
「(あ、結局ボコられたんや)」

『次の日謙也君髪染めてきてくれたんや。

「俺が目立てば、誰もお前にからまんやろ!」

そういうてくれた…』

「…謙也のくせにかっこいいコト言いよるなあ」

『せやろ?わかったんなら…』




早くこの手を話してください。


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あきゅろす。
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