拍手ログ とある休日の日常 「まーさーはーるッ!!」 「ん〜?・・・精市かぁ・・・?」 現在時刻、朝8時半。 学校も部活も無いという理由で、彼、仁王雅治は昼下がりまで惰眠を満喫するつもりでいた。 しかし、隣の家から侵入してきた幼馴染、幸村精市によって、それは叶わぬ夢となった。 「ったく。オレが起こしに来ないといつまでも寝てるんだな、お前は」 「寝溜めじゃ、寝溜め。寝れるときに寝とくんじゃ」 「寝溜めってあんまり意味無いらしいぞ」 「オレには十分意味ある」 あぁいえばこういう・・・ こんな子供染みたやり取りも、今始まったことではない 物心の無いうちからこんなんだったと、幸村は親によく聞かされていた。 それでも、学校に行けばこんなやり取りなんかはしないし、そもそも、お互いに名前で呼び合うなんてこと自体ない それを考えれば、お互いの素を観ているのは自分達だけなのだと、少し優越感に浸れて、その感覚を2人は密かに楽しんでいるのだ。 「グズグズ言うなっての。ホラ、朝飯食うぞ!」 「・・・まだ食うてないん?」 「お前を待ってたんだよ。行くぞ」 何で目の前の幼馴染は、こんなに遠まわしなんだろうか。 素直に一緒に食いたいって言えばいいのに と仁王は思った。 しかし、これを本人を目の前にして言えば、次の瞬間には裏拳、または一発でノックアウトするような攻撃が飛んでくるため、何も言わなかった。 「・・・へぃへぃ」 そんな日もあってもいいかもしれない そう思い、仁王は幸村に引きずられながらも、台所へと向かった |