3
あの後しばらく歩き、ようやく家へとたどり着いた。
辺りはすでに闇に染まっている。
『It’s amazing.』
家が見えてきたところで、三日月型の兜がかぶっている青年がそう呟いた。
なぜ、戦国時代の人間が英語を話すのかと内心首を傾げるアキラだが、口には出さずに、彼らを家の中へと促す。
アキラの家は、普通の民家より少し大きめの一軒家である。
本家は別にあるのだが、色々と理由があって此処に一人で暮らしている。
8人全員が家に入ったのを確認し、扉を閉めアキラも家の中へと入った。
もの珍しげに、家の中を見回している彼らを横目に、腰に差してある剣を棚の上に置く。
剣に手をかけた際、迷彩の青年と強面の青年から多少の殺気が飛んできたが、アキラの行動を確認した後、それは霧散した。
「何か、質問はありますか?」
全員がそれぞれ動きを止めた所で、アキラが口を開く。
ちなみに、彼らを通した部屋は和風になっているので、適度な距離を保ち皆座っている。
『まぁ、色々と聞きたいことはあるんだけど。ここって何処なわけ?』
『嘘なんてつこうと思わないでね。』と迷彩の青年が胡散臭い笑みを浮かべた。
「先ほど、真田さんにもいいましたが、ここはストラナー大陸の東部に位置するエリダラーダ国です。」
『・・・どっちも聞いたことねえnameだな。』
微妙な表情を浮かべる青い眼帯の男。
それは、皆一緒なのか暗い表情をしている。
アキラはそんな彼らの姿に立ちあがると近くの棚から、一枚の紙を取り出した。
それを持って再び戻り、彼らの前にその紙を広げる。
『これは?』
「世界地図です。・・・エリダラーダ国はここになります。」
指を差したのは、中央に広がる大きな大陸の東側。
その場所を見て、彼らはますます眉をしかめた。
今まで、見たことのない形の地図に、知らない地名。
彼らは、それに困惑しているのだろう。
かつてのアキラと同じように。
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