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その鳴き声に、先ほどまで言い合いをしていた二人も他の者も驚がくの表情で声のする方へと顔を向けた。
『な、何だ。今の声』
ポニーテールをしている青年がそう呟く。
青年の頭にしがみついている子猿は、怯えたように震えていた。
ドスンドスンという足音が空気を震わせる。
すると、前方から3体の魔物が姿を現した。
異世界組の面々は、見たこともないそれに動揺している。
『旦那、下がってって!!』
『政宗様、お下がりください!!』
迷彩柄の青年の青年と、強面の青年がそれぞれの主を後ろに隠して武器を取り出した。
それを見て、他の者達も各々武器に手を伸ばす。
(寝ろって言われてたんだが、仕方ないか・・・)
そんな緊迫した空気の中、アキラは舌打ちして魔物たちに向かって足を踏み出した。
乱れることなく、真っ直ぐ進んで行くアキラに、銀髪の青年が思わず声をかける。
『お、おい。』
歩みを止めぬまま、声の主にフッと微笑むとアキラは魔物たちへと右手をのばした。
「世界の瞼、今ここに開扉し闇を脾睨せよ。」
静かに紡がれていく言葉達。
それに呼応するかのようにのばした右手から淡い光が溢れだし、辺りを明るく染め上げていく。
「スヴェート!!」
そう叫んだ瞬間、右手にたまっていた光が真っ直ぐに魔物へと向かっていき、一瞬にして魔物をかき消した。
神秘的な光の中で、緩やかな光に漆黒の髪を揺らしながら毅然とした表情で立つアキラの姿を、彼らはしばしの間見とれていた。
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