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鮮やかな集団


駆けていった幸村の後を追って、アキラもそちらへと歩を進める。


近くの木に背を預けながら、迷彩服を着た青年と戯れている幸村の姿を眺めていると、こちらに近づいてくる二人の青年に気づいた。


「hey,ちょっといいか?」


三日月の兜に青い服。右目に眼帯を付けた青年がそう尋ねる。


その後ろには、頬に傷のある強面の男性が険しい顔で立っていた。


「はい。」


預けていた背を離し、自分の力できちんと立つ。


警戒しているらしい二人の雰囲気に内心苦笑しながら、それを気づかれないようにポーカーフェイスを保った。


「聞きたいことがたくさんあると思いますが、ひとまず森から出ませんか?」


「何?」


「この時間に森にいるのは、いささか危険すぎます。」


チラリと空を見上げると、空はすでに赤く染まっている。


“逢魔が時”魔物が集まる時間帯である。


「話は歩きながらしますので、真田さん!それに、そちらの方々も、私に着いてきて下さいませんか?」


困惑気な表情を浮かべている二人のことを気にすることなく
まだ幸村と話している迷彩柄の青年と
離れた所でこちらを見ている銀髪に眼帯の青年と全身緑の青年と長い髪をポニーテールにしている大きな刀を持っている青年にも声をかける。


木の上で様子を伺っている人物は、ほっといてもついてくるだろうと思い、アキラはあえて何も言わなかった。


「うむ。わかり申した、晃殿。」


「ちょ、ちょっと旦那、何言ってんの!?」


素直に頷いた幸村に、慌てる迷彩柄の青年。


他の人たちも、その場から動こうとせずこちらの様子を伺っている。


「晃殿は、この地に詳しいのだぞ。某達よりずっと。」


「そんな簡単に、人を信じるなっていつも言ってるじゃんか。あいつが、間者だったらどうすんのさ!!」


「晃殿はそのようなかたではないでござる!」


「さっき、危険といったな。どういう意味だ?」


言い合う二人を尻目に、強面の青年が口を開く。


「一か所に留まっているのは危険だからですよ。」


「Why?」

グァアアアアア!!


その時、魔物の咆哮が森一帯に響き渡った。




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あきゅろす。
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