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「さて、と。じゃぁ、話も一段落した所だしあの人を呼びに行こうか。」
そう言って立ちあがった佐助につられて、他の者たちも腰を上げる 。
ガラリと、和室に似合うふすまをあけた先は、先ほどまでいた畳のしかれた和室と違った、洋室の部屋だった。
その見慣れない部屋の中で、この家の主を探す。
ガチャ
「お話、おわったみたいですね。」
扉の閉会音とともに姿を現したアキラは、なぜかその後ろに兜を目深にかぶった青年―風魔小太郎―を従えていた。
それを見て困惑気な表情を浮かべている彼らに、アキラは頬を緩ませると
「適当に座っててください」
そう促して、部屋の奥へと姿を消した。
それを背中を、佐助と小十郎が慌てて追いかける。
「ねぇ、なんで風魔と一緒だったわけ?」
台所と思われるところで、何かを探しているアキラを眺めながら、佐助がそう問いかけた。
その問いかけに、手を止めぬままアキラが答えた。
「風魔さん、自室にいた私のことを呼びに来てくれたのですよ。」
どうやら、人数分のコップを探していたらしい。
棚から出したそれを洗っていると、人が隣に立つ気配がしてアキラはそちらへと顔を向けた。
「これは?」
「井戸水をくみ上げるカラクリのようなものですよ。ここをひねると出てくる水の量を調節できるのです。」
言いながら、蛇口をひねってみせると隣に立っている佐助が感心したような表情を浮かべる。
「へぇ。ここにはこんな便利なものがあるんだねぇ。」
戦国時代と比べるとこの世界は便利なものに囲まれている。
佐助がそう思うのも、仕方のないことだろう。
佐助の言葉に苦笑しているうちに、すべてのコップを洗い終わり、アキラはそれらとポットを持ってリビングへと戻っていった。
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