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日常00


相変わらずでかい学校やな・・・

地元と比べると倍は違うで絶対。


氷帝学園と書かれた門の前で建物を眺めながら、ため息をひとつ。


今年で3年目やゆうんに、この大きさにはなかなか慣れへん。


「おはようさん、奏」


「ん〜? あ、おはよ〜さん侑士」


「何しとんのや、こないな所突っ立って」


爽やかな笑顔を向けながら近づいてくる黒髪の眼鏡男子。

こいつの名前は“忍足侑士”


「相変わらずでかいな思ってたんよ。」


「3年も通っとって何言うてんねん。はよ行かな、遅刻してまうで?」


「おん、わかっとる。」


オイラの頭を軽くたたいて歩を進める侑士の後を追う。


あくびをかみ殺していたオイラに、ふと思い出したかのように侑士が口を開いた。


「そういえば、お前さん。九条のこと降ってもたんか?」


「・・・何のことや?」


「昨日の放課後、告くられとったやろ?」


こいつ、昨日の現場におったんかいな。

九条いうんは、2年の子でかわいらしい女の子や。


ええか? もう一度言うんよ。女の子や。


「・・・こんな格好しとるけど一応女なんよ。」


そう、男子の制服を着てはいるがオイラは女や。


まぁ確かに、男より男らしいいうんは認めるけど(そういう風にふるまっとるし)


男子より女子から告白されるほうが多いけど(男子から告られたこともあるで)


「オイラ別にレズとちゃうねん。」


「ククッ。そないなこと今更言わへんでも知っとるわ」


ニヤニヤ笑ってこっちを見てくる侑士。
なんや、ものっそ殴りとうなったわ・・・。



キーンコーンカーンコーン



「あ・・・。侑士が変なこと言うてくるさかい、遅刻になってもうたやないの」


「ワイのせいか?!」


「おん。」


即答してその場から走り出すオイラ。


後ろから聞こえてくる声を綺麗に無視して、教室へとダッシュした。




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