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と同時に今年の春、俺たちは高校二年に進級する。
そう言えば、今年で付き合い始めて三年目だな。
ちなみに別れに関しては二人とも同意の上。
というか俺は同意せざる得なかった。
言いだしたのはあいつだったから。
普通なら別れを告げられた瞬間泣き崩れて、
なんでどうして、と相手に縋るものなのかもしれないが、
残念ながら俺は、知っていた。
俺の彼氏、藍河学にもう一人の男がいることを。
そいつとはキス以上の行為をしていること。
言うならば、浮気。
だがされて当然と言えば、当然だ。
藍河から、と言うよりは思春期真っ只中で、付き合っている恋人がいるというのに、
キス止まりなんて何の冗談だという思いだったんだろう。
言われなくても分かる。
なんせ、藍河はどう考えても美形の類い。
世に言う“王道学園”のような閉鎖的空間でなくても
見惚れる男女は数知れない。
現実、男の俺が、ノーマルだった俺が、惚れるほど格好の良い奴だ。
じゃあ、なんで、そんな奴が俺なんかを選んだのか。
それは今でも謎。
滅茶苦茶に綺麗な藍河と、滅茶苦茶に平凡……それ以下の俺。
何処に釣り合う秤があるのか………。
美形の考えることはさっぱり分からない。
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