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見直しついでに読んだ感想はそれだった。
つい口から出るほど、そう思った。
書いた本人が言うのもあれだけどな、
これは男の手紙ではない、と思う。
長々しいし、細かいし。
………女か、俺は。
と言うか藍河読んでくれるだろうか。
読んでくれるといいが。
……藍河長い文とか嫌いだしな。
そうは言っても、今更短くすんのは面倒くさい。
うん、言いたいことは詰めた。
大丈夫だ。
よし、藍河がんばれ。
そう思い切って手紙に封をしてから、生温い何かが頬を伝った。
……涙だ。
はっ、俺はまだ別れたくない、とでも思っているのだろうか。
未練がましい。
どんだけ執着が強いんだ。
というか俺、やっぱ女なんじゃないだろうか。
ほら、自分気付いてないだけで……。
なんて、あり得ないよな。……たぶん。
ふと視線を体に持っていく。
「………」
大丈夫、俺はちゃんと男だ。
……これで十六年、生きてきたんだから。
一応、男の確証として考えると、
俺は藍河に出会うまでは一匹狼な不良のような男前系だった(顔とかの問題じゃなくて)。
しかもそんな簡単に泣いたりなどしてない。
というか藍河に出会うまでは小学生から泣いた覚えがない。
この涙腺崩壊の理由は藍河なのだ。
俺のせいではない(責任転嫁ですね、はい)。
……それでも俺はやっていない!的な(…違うよな、うん。主旨も違うしな、ごめん)。
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