贈する想いは 【御礼】尾花。 短文では御座いますが、皆様へ感謝を込めて。 ********** 銀の飛沫、金の波。 風が吹き、揺らす。 規則性をもって。 ゆら、と、ゆらり、と。 うねる波のように。 翻弄されつつも。 押された背を再び伸ばし。 また、海面のように揺らいで。 眼前に広がる薄(ススキ)の原っぱ。 本日最後の陽光の煌めきを。 やわらかな秋の日射しを受けて。 美しく織り成す、疑似の波間。 「綺麗……」 「あぁ」 吐息と共に溢れた言の葉を。 彼が拾い、返した。 白く輝くその穂先と似た色の髪を。 その彼が優しく撫で、指先で。 「アレン、」 「はい?」 「綺麗だな……」 絡む事なく梳かれ、何度目か。 輝く波と同じように、白銀の髪が踊る。 さら、と、さらり、と。 「綺麗だ……」 「ね、……薄(ススキ)の話、……ですよ、ね?」 ふっ、と、やわらかく笑み零すと。 「さぁ?」と、意地悪く返され。 裏腹に優しく肩を抱かれ、引き寄せられる。 「綺麗だな……」 ゆるり、と、顔を寄せると、その頭(カシラ)にキスを落とした。 それは、それは、愛しげに、愛しげに。 ********* 花言葉には色々とありますが、今回はお花の先生がおっしゃっていた意味を。 【心が寄り添う】 体も心も寄り添ってふたり仲良く、と。 [*前へ][次へ#] [戻る] |