贈する想いは
4:【13784リク】
「……神田、」
「ん?」
お決まりの夜の挨拶に、奴は今日も来る。
「おやすみなさい……」
「あぁ。……何だ?」
もじ、と、する態度を示し、立ち去らない奴を見る。
「何?」
「ぁの、……入れて、……貰えませんか?中に」
「悪いが……、明日は早いんだ」
「知っています。……そんなに長居は……」
「……。入れよ」
はじめてか?な、少しだけ強引な奴を招き入れて。
きし、と、寝台に座ると、前に奴が。
「どうした?」
「……僕、僕を……、忘れたりしませんか?」
「は?」
「暫く、多分、……数ヵ月は、……会えません」
「出るのか?」
「はい。……だから、あのっ、」
「何だ?」
「神田に、僕を……、覚えていて欲しい」
「それで?」
「ぇと、あの、だから……、神田、……神田を、僕に下さいっ!!」
「…………は?」
「僕は、……誰かに渡したくない。だから、」
かつ、と、一歩を残して、近付くと。
その場に跪いて、座る俺を見上げ。
そ……、と、膝に掌が乗り、片手は伸ばされて。
その右手は、座る中心を指した。
足の間の、俺のそれを……。
「アレン?」
「……ね、頂戴。仕えさせて、僕に」
「おい、」
「気持ち好くなるように頑張るから。だから、忘れないで……」
「お前、キスがやっとじゃねぇか」
「だから……、何処が好いか、教えて」
「馬鹿か」
「馬鹿でも良い!」
「口淫とか、なにを言い出すんだよ」
「一生懸命するから、やらせて。これは僕の我儘、」
「……」
「僕の居場所、……あるって、ここに居て良いんだって、だから……」
「……正気か?」
「お願い。神田と長く離れるのが怖いの」
「……」
「だから、……もっと、神田との繋がりが欲しい」
「お前……」
「……欲張って、……ごめんなさ、ぃ」
体の関係は結んでない。
流石にそこまでヤるつもりはなく。
想い合っているとの、装う為の触れ合う行為で。
舌を入れてのキスを、施したりもしていない。
知れば色々と未経験で、まっさら過ぎる奴で。
それがいきなりフェラをさせろとは。
繋ぎ止めたいが為に必死。
側に居るための画策。
ただ側に居られれば……、から。
欲が出て来て、俺をより求める花は。
何処まで俺色に染まって来ているのか。
悪くない。
このまま……。
「その願い……、叶えてやるよ」
「……神、田……ぁりが、とぅ……」
[*前へ][次へ#]
[戻る]
無料HPエムペ!