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贈する想いは
8.【7777リク】

「痛くは無いか?アレン」
「…ん、へい…き、」
拡げるように動かし、差し入れていた指を引き抜くと、寂しそうに、きゅ、と、擦り付くように締め付けた。
「力を入れるなよ」
こく、と、頷いたのを見届けて、指は中指に替わり、再び中へと押し入って行く。
「っ、…ぅ、ん……」
「アレン」
「きも、ち…よく……し、て…ユウ」
「勿論。お前が惜しみ無く精液を差し出す程に、満足させてやるよ」
残りの四指は尻の丸みに添わせて、真ん中の指、掌の付け根から先は、全て姿を消していた。
軽く曲げて腹側を撫で押すように指を動かし、中から外へ掻き出すように移動させる。
負担を掛けぬ為に数は増やさず、その一指だけが、しとりとした腸壁を優しく擽る。
一番に感じる其所を焦らしながら、慣らしながら、甘やかでいて強烈な感覚を呼び覚まして。
解れ緩やかにその出入りを許す迄、抜き差しをしながら、もう一方の手で前を弄りつつ口でも遊ぶ。
「っ、ぅあ、……ん、」
「もっと、声。聴かせろ、アレン」
「んあぁ、っ、…はぁ、っ、ぁん、」
口に含まれる粘膜の温かさと、舌の柔らかさと、手で揉まれるその下の二つの実に。
腹の内側からの激しくは無い指先の刺激は、対照的に激しい刺激を内部から生み。
ひくり、と、体が跳ねれば、口内へと押し付ける形となり、またそれが新たなる快楽の壺となり。
完全に勃ち上がり、己を主張するそれは、はち切れる事を怖れるように、だらだらと蜜が溢れ。
唾液と混ざり合い、独特の匂いと、絶え間無く出(イズル)水音と、切れ切れな息遣いが空間を埋める。
腸内の一点に、傷付かない程度に爪を掛けると、耐えられないとばかりに震え濡れそぼるモノに歯を当てた。
甘噛むように支え、舌を促すように絡め、びくびくと爆ぜるのを待ちわびるように蠢く。
かり、と、引っ掻くように、そのびくつく動きに合わせて強弱を付け、吐き出させる為に執拗に攻める。
「……ユ、ウッ!ぁ、っあ、も、……っ、んぅ、」
限界を見極め、一際強くつよく、何も考えられないくらいに、息をするのも忘れるくらいに。
気持ちが好くてよくて、全てが判らなくなるくらいに、真っ白に気を失うくらいに。
吐精だけに捕らわれて、それを齎す自分だけに捕らわれるように、追い詰めて高めて行く。
「っあ、ぁ、あ、…ユ、ゥ……ユウッ!」
口内を満たす精液と、耳にその声の余韻を残し、一滴たりとも溢さぬように受け飲む。
先端部を吸い、綺麗に舐め上げてから口を離して、ぼんやりと眺めてくる視線を見詰め返す。
その顔に、ゆぅるりと微笑みかけてから、潜ませていた指を、緩やかに引き抜いた。
小さく、惜しむかのように声が落とされ、そのまま、ふっつりと彼の瞼は閉じる。
「おやすみ、アレン」
汗ばんだ額の髪を剥がすと、その覗いた白い肌に、押し付けるだけの優しいキスをした。


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