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贈する想いは
6.【7777リク】

舌先が耳の輪郭をなぞり、やわらかく内側を舐め、また今度は歯を当てて甘噛む。
「アレン。駄目か?」
「……狡、い、」
「何が?……アレン、好きだ」
「……」
「俺と寝るのは嫌いか?アレン」
唇を当てたまま、少し低い囁くような声のトーンは、甘えを含み直接的に脳に響く。
「……嫌わ、無…い?」
「ん?」
「いやらし、い…事、…好き、とか……」
「何故?快楽に沈み溺れる、お前の顔が好だからな、アレン」
「……でも、」
「教えて欲しい、アレン。お前のいやらしい顔を、もっと見せて。アレン」
腕を離すと、ゆっくりと横向きに倒しながら、ベッドに沈み込む時には、背中から埋(ウズ)もれていた。
上から覗き込む顔に、何時も見慣れている筈なのに、顔に血液が再び集まるのを感じる。
「……ユウ、…あの、」
「何?アレン」
「あの、ね……、」
「ん?」
「ぁ、の……ユ…ウ、……抱い、て」
「仰せのままに、アレン」
触れるだけのキスを、やわらかく何度も繰り返し、唇や舌を輪郭に滑らせて、所々で口付けをする。
焦れるような優しいキスは、内に潜む密やかなる感情を呼び煽るように、緩やかに熱を呼ぶ。
「ん、ぁ…っ、」
「ここは嫌か?」
先程触れられた胸の飾りは、指の腹で撫でられると固さを示し、更なる刺激が欲しがるように尖った。
「…、好きっ、ん…はぁ、」
「もっと?」
「ん、…っと、あ……」
吐息と混じる唾液に、舌の感触と、吸われる甘苦しさ、胸に広がる特有の痺れる感覚が増して行く。
「下は、苦しく無いのか?」
「ぅ、ん…ぁ、……触っ、て…欲し、…ぃ」
片腕で支えていた体を起こし、寝具に倒した体を跨ぐと、腰で結ばれたガウンの紐を解いた。
左右に割り開くと、白さを見せ付ける胸を一撫でし、赤く色付く果実に各々口付けて、舐めて吸う。
指先よりも感じる刺激に、体がびくりと反応を返し、下半身への欲望の滾りが嵩まして行く。
布越しに触れるその事がもどかしく、考えるよりも先に手に擦り付けるように腰が動いた。
「何?」
「こ…れ、…ぃや、ぁ……」
「嫌?」
「下、着……じゃ、無く……て、っん!」
上から手を差し込み、さわり、と、育ち始めたそこを、掌に包み込むように撫で上げながら露にする。
五指の先で上に摘まむように全体を擽り、また戻しては、ぐにぐにと揉み込むように撫でて行く。
「ぁ、…っ、ユウッ、」
右手で下を弄りながら、左手は胸を遊び、唇はキスを贈り、舌先は味わうように体を舐める。
気持ちの好い刺激で、それはいつもと変わらないのに、でも何故かとても落ち着かない。
焦らされる事も、意地悪も、遊ばれる事も無く、『もっと』と、欲すれば与えられる甘い痺れ。
「ぅ…ん、…はぁ、あ……ユウ」
「何?」
「お、願…い……、」
「ん?」
「好きに…し、て…」
「俺の?」
「それ…が、好い……ん、お願…い、ユウ」
好きな所に好きなだけ、そう、それは今更、いつもは、いつもなら、いつも与えられていたのだ。
お礼だなんて、却ってそれがもどかしくて、言葉にせずとも沢山に、それは与えられていたのだ。
自分よりも、自分の好いように、見極めて、大切に、与えられていたのだとそれをとても感じた。
だから、もう、考えずに、神田の事だけを見詰めて、神田の手に因って快楽の淵に沈みたい。


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