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贈する想いは
5.【7777リク】

ベッドの上に座り込んで、グラスに口を付けながら、されるがままに大人しく髪を拭かれる。
「何?やっぱ期待してたんだろ」
「は?そんな訳っ」
「ほぉう」
タオルを剥がれ、後ろから顎を掴まれると、振り返る形となり、端に座る神田と目が合った。
「反応してたろ」
「なっ?!」
「俺が気付かないとでも?」
掴んだ顎をそのままに、親指だけを動かしてアレンの唇を這わせながら、神田が続ける。
「普通に洗ってただけなのにな。いつからそん…」
「感じて無いもんっ!バ神田っ」
一息に言い切ると同時に顔を前に戻して、再びグラスに口をつけると、中身を乱暴に煽った。
「そうか?」
湯上がりに着せられたガウンの合わせ目から手が差し入れられ、やわらかく胸の先をなぞる。
「ちょ、なっ…、ユ、ウ……」
「ほら、感じてる」
思わずグラスを強く握り込むと、硝子が自分の変わりに小さく悲鳴を上げ中身が揺れる。
「ぁ、や……、ん」
「危ないぞ、貸せ」
グラスを取り上げるとサイドテーブルに乗せ、その左手を前から回して右肩を抱いた。
後ろから悪戯を仕掛ける手は止まずに、逃さぬようにする腕に、思わず爪を立てて縋るようにしがみついた。
「ゃ、あ…ユウ、ま…まっ、てぇ……」
「何が?」
「っ、…て、……指や、め……て」
「感じて無いんじゃ無かったのか?」
意地悪く耳元で告げる言葉に、顔が赤くなるのが自分でもよく判ったが、止める術は無かった。
「も、……バカぁ、」
「お前が悪い。嘘を吐くからだ」
「……」
「可愛いな、お前は」
きゅ、と、両腕で肩が抱き締められると、ひた、と、頬が寄せられ、顔を付けたままに続けられる。
「なぁ、アレン」
「……な、…に?」
「お前はどうされたい?」
「え?」
「お前は抱かれたいか?」
「……は?」
「お前の望む快楽を、欲しいままに与えてやる」
「ユウ?」
「だから…。アレン、気持ち好い事をしないか?」
「……どうし、た、…の?」
「たまには、お前に選ばせてやろうかと思ってな」
「……ぁ、…ぇと、」
「何だ?しないか?するか?思うままに攻められたくは無いか?」
何時もならそんな事は聴かずに、自分の流れで押し流してしまうのに、持ち込むのに。
無論、アレンが気持ち好く無い独り善がりなセックスはしないが、割りと強引に誘いはする。
反応を見ながら、享楽に突き落とすが、神田はアレンの快感を一番にしながら自身も楽しむ。
それは言わずとも気付いていた、自分からは照れ臭い、だからそんな神田からの誘いは好きで。
不満も疑問も在りはしなくて、それなのに此処に来てのこの台詞にアレンは戸惑った。
「どぅ…し、て?」
「別に。お前を甘やかそうかと思っただけだ」
「甘や、か…す?」
「あぁ。俺主導では無く、お前の望むままに」
「ぁの、…なん、で?」
「日頃、俺の我儘に付き合わせる礼と、」
「お礼?」
「そう。後は、もっと俺を好きになるように、お前を気持ち好くしたい」
「もっと……」
「あぁ。俺無しじゃ、俺じゃ無きゃ感じなくなる程に、な」
益々朱色を強くする赤は耳までも染め上げ、アレンの可愛らしい反応を示すそこを唇で食(ハ)む。
「アレン。なぁ、セックスしようぜ」


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あきゅろす。
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