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連綿たる経常
口付けて、求めて。



舌。


顎を上げて見上げるように、そ……、と。

じ……、と。

自らを映すその瞳を覗き込むように。

近付く顔に、ひそり……、と。

瞼が自分と彼の姿を遮断する。

舌先と舌先が触れて、つ……、と。

触れて、やわり……、と。

圧され、すぅ……、と。

その差し出した形を確かめるように。

それが、それを、ぞくり……と。

なぞり、行き着いた口の端(ハ)にキス。

口を開く気配に、食まれる桃色。

思わず、びくり……、と。

揺れる肩、宥めるように撫でられる背(セナ)。

一度放し、次に当たる硬い白。

傷付かぬように歯を立てられて。

離しざまに吸われる。

唇と唇が合わさると、きゅ……、と。

吸われ、下から掬い上げるように舐めて、分かれて。

そして、また。

大事だというように這わされる。

緩く腰に回していた腕を、そぅ……、と。

少しだけ力を強めて。

それに呼応するように背中に感じる圧迫。

とろり……、と。

唾液が口内から溢れて。

追うように舌が動く。

ゆるり……、と。

上がる鼓動、篭る熱、欲する彼、求める自分。

移し移される体温、体液、呼気、欲望と願望。


「抱かせろよ、アレン……」


小さく頷いて、ふぅ……、と。

眼を開けて、彼を見る自分をそこに見付ける。

見詰めると、濡れた瞳の彼に抱き上げられた。


「シャワー、浴び……る?」
「そんなに待てねぇよ」


寄せての囁く互いの声は、ゆらり……、と。

甘さを帯びて、融けて行った。


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あきゅろす。
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