連綿たる経常 8月のデート。 ご都合主義的さ(`・ω・´)キリッ-現代話- 凄く捏造で妄想(。-∀-)← ********** 「……暑ぃ。ふざけんなよ、暑……、」 「だから言ったじゃないですか」 「……ざけんな。何だよ、この人はっ」 「普通ですってば。帰ってても良いですよ?」 「……ざけんな。此処まで並ばせておいて帰れだと?」 「帰れとは言ってませんよ。仕方無いでしょ?」 周りに溢れる人、人、人、人、人、何処までも人。 いったい何処から?な、数の人達、人の波、人の絨毯。 その極一部、並ぶ人の列を構築する僕等二人。 生まれる熱気と日本の8月の暑さが絡み合い、コンクリートが照り返す。 天候的に直射日光では無いものの、紫外線と大気が孕むアツサは相当な物で。 人混みが嫌いな彼の機嫌は、絶好調に不機嫌の一途。 眉間に刻む皺が、刻一刻と深くなり、ある意味時計のようで。 陽射しから肌を守る為に被ったタオルで伝う汗を拭う。 初めは嫌がっていた神田だが、今はアレンの為すがままに口だけを働かせ。 同じ様に頭から覆われながら、幾度目かの悪態をぼそぼそと吐く。 始発からの、乗り換え有の、列に並び、待機する、そう、夏の祭典。 所謂 夏 コ ミ 。 「もう少しですから。ね?」 神田が持つ荷物から、凍らせたペットボトルを取り出し手渡しながら、彼の流れる汗を拭い取る。 「ね、……ユウ」 「あ?」 「どうして?」 「何が?」 お前今年は?と、問われた7月に、首を傾げれば、本日の予定の事で。 暫し黙(ダンマ)りとした後に、俺も行く、と、静かに返されて。 追加で、再入荷と貼り紙のある本屋で、彼の分のパンフレットを買った。 「今年はどうしてついて来たの?嫌いでしょ?並ぶのも人混みも」 「……別に」 「ユウ?ね、……何故?」 俯きタオルで隠れる彼の顔を下から覗き見て、ね?と、目だけで尋ねる。 「……だ、よ」 「なぁに?」 「……デート」 「ぇ、」 「最近忙しくて構ってやれなかったから。今日を逃すとまた休みが無ぇんだよ」 「……ユウ」 「休みになったら埋め合わせる。……悪いな、アレン」 休めないのは彼のせいではないし、無精な彼が毎日メールをくれる。 自分的にはそれで納得していたし、朝の時間が合えば、顔を見る事は出来た。 日頃、俺様神田様な彼が、デートをしていない事を気にしていたとは思いも因らず。 ぱちくりと、瞬きがひとつ落ちて、自然と緩やかに、口許が笑みを結ぶ。 「ありがとう、ユウ。じゃあ……」 アレンはパンフレットを鞄から引っ張り出すと、神田にも出すように促す。 「さっさと戦果を上げて離脱しましょう!手伝って下さいね」 チェックしてあったサークルの場所1/3程を、彼のパンフレットへと描き写すと、その横にメモを書き込む。 「おい?」 「昼前には終わるようにしましょう。ユウは西からお願いしますね」 「おい、アレン!」 「僕は東から周って、迎えに行きますから。待ち合わせは……、」 パンフレットをペンで指し示しながら、口を挟む隙も見せずに使命が与えられる。 サークルとやらを巡って、本を買うのは判っていたが、自ら買い求める側になるとは思ってもいなかった。 「解りました?出来る範囲で良いので」 「……」 無理な気がしなくもない、そんな気しかしないが、パンフレットを受け取った。 「早く終わらせてデートをしましょうね!」 「……解った」 嬉しそうに笑うアレンと、その後の時間をより多く確保する為に、頑張る神田なのでした。 ********** バイトか部活か学生か社会人か等。 その辺は、ちょっと暈かして書いてみた。 現代設定が無いので。 [*前へ][次へ#] [戻る] |