[携帯モード] [URL送信]

連綿たる経常
その色は何色で。

時たま吃驚するような返答が返されて。

思わず緩む頬にどきどきとする胸を抱えて。

そんな彼の一言に振り回されて。

でも、それは嫌じゃ無くて。

にんまりとする嬉しさで。

それは神田が言うからの高鳴りで。

今日も彼の一言に僕の心臓は跳び跳ねるんだ。



割といつも上から目線の命令口調。

そしてぶっきら棒で言いっ放し。

なのに何故かときめく自分がいる。

これが他の人なら失礼極まり無くて。

多分苛々するんだろうけど。

でも、僕は…そんな彼の言葉を求めてるんだ。

その中に隠れ照れ隠しな行為を探して。


そして、その他に。


たまに貰えるご褒美的な言い回しを。

求めているんだ。



『…ダメ、かなぁ?』
いつもは「駄目だ」で、終了するのに。

「アレン。お前のお願い、聞いてやってもいいぜ?」 だなんて。



『うぅん…。何でもない』
態と隠した事には「そうか」の一言でスルーなのに。

「あ?仕方無ぇなぁ。来いよ」 優しげな眼差しを添えて。



『好き、』
と言えば「だから何だ?」と、素っ気ないのに。

「言われなくても知ってるさ」 口の端に笑みを湛えて。



いつも通りにあしらわれて終わるんだろうな。

そう思いながらも、懲りずに伝えると。

思いがけずに貰える甘い色付く言葉。

予想外に返される神田からの返事に。

え?と、フリーズが一瞬掛かって。

次にじんわりと温もりが溢れて。

とてもとても幸せな気分になる。

安いな!そう自分でも認識しているけど。

普段無口な彼からの特別な想いは。

受けとると嬉しくて仕方がないんだ。



「……………、アレン」
「ユウ」


不意打つその言葉に。

にやりと笑って射る視線に、見事に撃ち抜かれ。

またひとつ、今日も言葉の彩色を集めて行く。

一枚絵としての人生画は永遠に完成しなきゃいい。

そう想える程に。

君が好き。

ずっと君が好き。

君からの愛の言葉を。

ずっと求めて。

塗り重ね、時を重ね、二人での歴史を塗り込み。

極彩色に溢れる人生を君と。


[*前へ][次へ#]

53/70ページ

[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!