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-混沌たる現と幻-
聖なる夜に。[アレルヤとティエリア]
一瞬でも先の、貴方との変わらぬ未来が欲しい。


確たる約定も、誓約も、契約さえも無い。
不確かで、でも確実で。
その想いは日々の端々に感じられるのだけれど。

神なんていないと、仲間だった彼が言っていたけれど。

でも、今日はあなたに縋りたい。
この先も、この先も、この先も。
この人と一緒に居たいのです、神様…



「何してるの?ティエリア」
「う…ん、」
「なぁに?ちゃあんとクリスマスのケーキもプレゼントもあるよ?」
「ね、アレルヤ…、いや……」
「ティエリア、おいで」
窓辺に立つティエリアに手招きをする。
いつものように優しい微笑みを浮かべて。
動かないティエリアにもう一度声をかける。
「ティエリア」
おず、と、アレルヤ手製の料理が所狭しと並ぶテーブル近付く。
椅子を引いてティエリアを座らせると、アレルヤの腕がその肩を包み込む。
「ね、ティエリア。僕はティエリア以外は考えられないんだよ」
「アレルヤ…」
「ティエリアが僕を好きでいてくれて嬉しい」
「うん、」
「それはこれからも変わらないから」
「でも、不変な事は世の中には無い…」
「ティエリア」
腕を解き、前に回り膝をつくと、じつ、と見詰める。
「確かに人も物も変わって行く。それは仕方が無い事だけど、」
「…」
「でも、僕は歳を重ねる毎に君を好きになるんだ。これからもずっと」
「アレルヤ…」
「ね、これからも好きでいていいかな?」
「アレルヤ…」

抱きしめ合える喜びと、そこに溢れる温もりに。
未来への誓いと、今への感謝と、そして…


聖なる夜に神へ。

そして自分達へ。

誓いを立てよう。


「「愛してる」よ」

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