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其々の砌にて
後編。

横に添い体重をかけて後ろに押してやれば、まだ顔を赤くしたままに素直に押し倒された。
「出したら眠れ。いいな?」
「…ムードも何も無いですね」
「黙れ。寝れる時に寝とけよ」
首筋にキスを落としながら幾つか釦を外し、そこから手を差し入れ胸に脇腹にと指を這わせながら口付けの場所も移動させる。
「や、ん…くすぐっ…た、ひゃあ!」
指を立ててすぅ、と腋の下から横腹に縦に滑らせると、身を捩って逃れようと動く。
「誘ったくせに。しないのか?」
「だっ…て、そこ、よわ…い、ぁ、んっ…」
「あぁ」
「う、…っは、や、だぁ…」
「そうか」
「くす、ぐ…たっ…」
「赤く無くなったな」
「は…ぃ、え…と、何で…」
「恥ずかしいのに集中してんじゃねぇよ」
「あ…」
その見下ろして来る顔を見詰めていると、頬に軽いキスを貰う。
「俺だけを感じてろよ」
「うん!」
腕を伸ばして引き寄せると、同じようにキスを返す。
「大好き!」
「当たり前だ」
近付く顔に瞳を閉じると、こつ、と、額が当たり鼻先が触れた。
「見えなくてもどんな顔してるか解る」
「あぁ」
どちらともなく距離を取ると、視線を絡ませてから口付けをする。
「ほら、ヤるぞ」
「も、ムードもな…ん、っ…」
口をキスで塞ぐと、いつの間に寛げたのか、中から直ぐに引き出された。
性急な行動に思わず腰を浮かすが、ぎぅ、と、強めに握られ、思わず動きを止めてしまう。
「すぐにヨくしてやる。逃げるなよ?」
鼻先にキスをすると、何の前戯も愛撫も無く口を近付けて銜え、先を軽く噛み損なうように歯で撫でる。
「や、神田っ…」
先の方だけを口に含み、吸っては先端を舌でやわやわと刺激するのを繰り返す。
徐々に反応を返すそれの裏側に舌を移し、根本から先端までを舌先で少しずつ位置をずらして舐め上げて行く。
「も…ほん、と…ムードも…」
「うるせぇ。早く休ませてやろうって優しさだろ」
くちゅ、と、音を立てて、吸い込むように袋の部分を口にすると、手で今まで舐めていた部分を前後に摩った。
「…っあ、ぅ…っはぁ」
先から滲んで来る液体を延ばすようにぐにぐにと指で撫で、もっと溢れるように口と指のタイミングを合わせて刺激する。
先程より張りを持ってびくびくとするモノを、飲み込める所まで飲み込むと、軽く歯を立てて出し入れを始めた。
「っは、…かん、だ…まっ、て…」
「待つかよ。早くイけ」
口を離した間合いに上手く喋ると、唇と歯で擦るように深く飲み込んだ。
「ぅあ、…はっ、ん…」
唾液に溢れ出した体液が混ざり、より滑りを良くし刺激への手助けとなる。
神田の頭部に腕を延ばして押し退けようとすると、お見通しだと言うように歯を立てて咎められ、その頭を思わず抱え込むように抱きしめた。
「あぁ、…ん、っ…も…」
頭を抱き込んだ腕が引き剥がされ、そのまま左右に開いて寝具へと縫い止められる。
「はっ…、熱烈なオネダリだな」
少し息を上げた掠れた声で問い掛けると、気持ち好さに溺れた視線が向けられた。
「神田、の…か、んだ…だか、ら…んっ、う…」
拘束を解いて体に跨がると、つぃ、と、顔を寄せて舌で舌を掬い上げ、自らの口内に引き込んで深いキスをする。
舌を吸い、舐めて、深く深く貪りながら、体を支えぬ片腕を延ばして手淫を施すと、背を反らして反応が返された。
漏れる喘ぎ声をキスで飲み込んで、口と共に的確に下も攻めて犯して行く。
何処が弱くて、何処が好いのかなんて、今更確認する必要も無いくらいに解っているのだから。
「あ…んぅ、…かん、だっ…」
再び体をずらし、ゆっくりと焦らすように銜え込むと、大きく頭を動かした。
唇と舌の柔らかな刺激と手での強めの刺激で、先に溢れた体液と唾液とのぬめりで追い込み高めて行く。
「で…ちゃ、ぅ…っ、はな…、っ…てぇ」
ぐちゅぐちといやらしい水音と、いやらしさを滲ませた声で限界を訴える声がその場を支配する。
「っは…や、あぁ、…ユウッ」
吐き出された性欲を零さずに受け止めると、先にちぅ、と吸い付き全てを口に入れる。
上から覗き込む為に体を起こすと、息を荒げ、とろりとした瞳に映るように、ゆっくりと嚥下した。
「あ、…ダメっ…」
口元を拭いそのまま頬にキスをすると小さく耳元に囁く。
「うまかった」
「馬鹿…」
くしゃり、と、優しく髪を撫でて、軽く衣服を調えてやり上掛けで被うと、子供を寝かしつけるように胸をぽんぽんと繰り返し叩く。
「眠れ」
「う…ん、なんか…」
「ん?」
「やさ、し…」
言葉が寝息に代わると、そっと額に口付けをする。
「…求められるのも悪くないな」
もう一度優しくキスをすると、静かに部屋を出て行った。


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あきゅろす。
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