其々の砌にて
赤
狡いんだよ。
狡くて、狡くて、狡くて、狡いんだ。
囲い込んで追い詰めて、後戻りなんてさせなくて。
追い詰めて、泣かせて、壊して、作り替える。
自分の好むように、その時の気分次第で。
本気の嫌がる素振りが、強請る為の恥ずかしさを隠す為の見せ掛けに。
見詰める瞳が撥ね付ける物では無く、熱と艶を帯びて期待が篭るように。
いやらしく、淫らに、妖艶に、自分好みに仕立て上げて行く。
女の肉の柔らかさも、挿(イ)れた時の締め付けの気持ち良さも知っている。
胸の肉が頬張れるのも、しなやかな括れも、尻や内股の弾力も好きだ。
喘がせて、暴いて、鳴かせて、堕ちて行く様を愉しんではまた新たに手に入れる。
勿論、後腐れ無く綺麗に終わらせるのは忘れない、後々の為にも。
自分のモノに為る迄の過程と達成感、ゲームの様な駆け引きが堪らない。
自分が飽きる迄の、自分だけを求める、可愛らしい人形が欲しい。
自分の欲を満たす為の、それだけの為の玩具が。
あぁ、あの折れる事の無い奴の矜持。
女としか試した事は無いが、好奇心と欲に我慢は無意味で、日々奴が目に付いた。
【アレン・ウォーカー。】
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