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パロ
小学攘夷とアリ



「………………」






肌を焼くような炎天下。だがそよぐ風は爽やかで心地よくて。
降り注ぐ蝉の声。だが周りは不思議と静かな気がして。

日の光が一番強くなりつつある昼過ぎ、僅かな木陰にしゃがみこむ4人。

短パンにTシャツでかなり涼しい格好にも関わらず、シャツに汗が滲み出る。折り曲げた膝の裏から汗が垂れる感覚が気持ち悪い。

Tシャツの中の湿度は半端じゃない。頬から垂れる汗は地面に落ち染みを作る。水分をとらなければ倒れてしまいそうな暑さだ。


だが、4人は微動だにせずそこにいた。








「………アリじゃ」
「……見りゃわかる」
「………何してんだコイツら」
「……食物を運んでいるんだ」



地面に黒い列を作るアリ達を無心で見つめる4人。目を見開きすぎて目玉がこぼれ落ちそうだ。




「………こんな暑い中皆で協力して頑張っているとは…間違いない此奴らは侍だ」
「………コイツこけたぞ…踏み潰してやらァ」
「……やめるんじゃ…ほらすぐに起き上がったぜよ」
「……勇敢な侍達に応援歌を送ろう…『おつかいありさん』」
「……バカかいヅラさん…お、だんごむし連れてきたぞオイ」



会話はするが完全に魂はどこかに飛んでいっているようだ。一瞬たりとも視線をアリの行列から離さない。



額から垂れた汗がアリの行列を遮る。



「……止まっちゃったぜよ」
「……挙動不審になりやがった」
「………踏んでいいか」
「……高杉のたわけ」





普段なら口論になりそうな会話も上の空。
時間を忘れたようにアリ達を見つめ続けた。


かんかん照りになる正午が近づく。一体いつまでこのにらめっこは続くのだろうか。

呆れたように蝉が一層強く鳴いた。









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で仲良く脱水症状でも起こせばいい(^ω^)

2009.8.3







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