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攘夷ばっかり
攘夷ズ風邪リレー1(坂田)





「…全く!!!!貴様がここまで馬鹿だとは!!」




あの戦から3日。つぎはぎだらけの民宿を震撼させる桂の怒号が響いた。
銀時はいかにも不本意な表情をして蒲団から顔を出している。




「だーからしょうがなかったっつっだろ!体育の授業じゃあるまいし戦の途中で見学なんざできるかァ!」
「ならば事前に俺達に言えば良かろう!あんな状態で戦に出るとは馬鹿を通り越してあんぽんたんだ!」
「字面だけ見るとおちゃめなんですけど」
「大体あの時坂本が駆けつけなかったらどうなってたと思っているんだ!!」
「アッハッハッハまあまあヅラ、結果的に無事じゃったんだし金時も反省しちょるし」
「貴様の目は節穴か!これのどこが反省している!」
「あーもうオメーらうるせーよ頭痛ぇ…」



呟きながらもぞもぞと蒲団に潜る銀時。悪態をついてはいるがやはり些か具合が悪いようだ。その状態で戦に出ていたとは、俄には信じがたい。





「貴様!蒲団に潜ると額の布が落ちると何度言ったらわかるんだ!!」
「…るせーな寒ィんだよ…んな事言うなら冷えピタ買ってこいや…」
「あれは駄目だおでこがふやける」
「オメーの感想なんざ聞いてねーんだよ!!」
「アッハッハッハ!そろそろヅラが調合した薬ができる頃じゃないかのー」
「そうだな、そろそろ高杉が持ってくるはずだ」
「何回薬用意されたって俺ァ飲まねーからな!!」
「いや今日こそ飲んでもらうぞ!!」
「アッハッハッハ!!」



辰馬の笑い声が頭に響くのか、銀時はさらに蒲団に潜り込む。それを桂が朝のお母さんよろしく勢いよく蒲団を剥ぐ。全身を襲った急激な悪寒に耐えきれず飛び起きる。




「てめェェェ寒ィっつってんだろ!!何やってんだボケェ!!」
「アッハッハッハ!!」
「いうこと聞くまで蒲団はやらん!!」
「意味わかんねーよ!!俺病人だよ病人!!」







「……銀時てめェもう治ったのかよ」


明らかに不機嫌なオーラを纏いながら襖を開けて高杉が現れた。


「この俺が不本意ながらてめェのために薬の火加減見てやってたんだぞ…いらねェとか言ったらブッ殺すぞ」
「いらねーっつてんだろ薬なんか!!苦くて飲めるかあんなの…っ…うぉ…」


熱が下がっていないのに叫び続けたからか目眩を起こし蒲団に突っ伏す。


片手に薬を持ちながら近づいてくる高杉は魔女顔負けだ。そして不意にしゃがみくしゃくしゃになった布をつまみ上げた。


「……こんなんデコに乗っけてたって熱下がるわけねェだろ」
「……ほらな…冷えピタじゃねーと駄目じゃねーか」
「バカ違げェよ。もうこれ冷たさの欠片もねェじゃねえか」



すなわちそれは銀時の熱の高さを示していて。
睨まれ指摘され、うっと息を詰まらせる。
辰馬が隙を見て銀時の額に手を当てると、その温度に驚いて目を見開いた。



「おんし3日経ってもこりゃあまずいぜよ」
「ギャアアア何やってんだァァ」
「いいから黙って薬を飲め!!」
「ダメ!!絶対!!ニガイ!!絶対!!」
「てめェ用に少し甘くなってるはずだ」
「飲まなくても治る!!だからあとちょ」
「「「飲めェェェェェェ!!!!」」」
「ギャアアアアアアア」
























「………ようやく寝たか…」


いくら銀時と言えど三対一では敵うはずもなく。
精一杯抵抗したが無理矢理薬を飲まされ、今は薬の効果もあってかぐっすり寝ている。





「…全く手間をかけさせおって」
「……コイツここ3日ろくに寝てなかったろ」
「やっぱり警戒しとったんじゃろうなー」


体力が落ちている寝込みを襲われたら、と気が気じゃなかったのかもしれない。


「…にしても少し騒がせ過ぎたか…あんなに叫んでまた熱が上がったかもしれぬ」
「いいんじゃいいんじゃ、こいつはあんぐらい疲れさせんときっと寝付かないきに」
「……お前ホント一番怖ェよ」
「アッハッハッハそんなことないぜよー」



銀時を起こさないように声を押し殺して笑う。多分暫くは起きないだろうが。




「…おんし一人で気張る必要はないきに」






すっかり寝息をたてている銀時の頭をぽんぽん、と撫でながら呟く。


















「わしらの前でぐらいは安心して休むんじゃぞ」

























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ほのぼのだと言い切る!!w
ベタですみませんしかしベタな展開が一番楽しい^^

2009.4.24




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