【切手のない封書】
思い出すは、あの日
「ねぇ、モモさん、俺のこと好き?」
「…嫌いな人間と、セックスしてもつまらんだろ」
「バカ…」
「バカとは何だよ」
「…バカ…」
「それ言われたら、お前…嬉しいのか?」
「…別に…」
「それなら聞くな」
言って、あの人は俺を自分の上へ招く。
「…ン…っ…」
「ヨシツネ…ほら…もっと奥まで。いけるだろう…」
解されて熱く疼きを感じる身体の芯に、年上の恋人の硬く反り立つ欲望を咥えこむ。
言葉を喋らない俺のアソコを、貫き、犯す欲望にジリジリと焼けるような感覚を覚えて、彼の背中に廻した手で俺は肌に強く爪を立てた。
「…あぁ…イイ、いいよ…ヨシツネ、もっと…強く…」
甘い声で彼は、俺に鞭を強請る。
「…モモさん…ぁ、っは…」
その甘い声は、ガキだった俺をいとも容易く絆す。
ズルい声。
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