驚いた…。攻めが泣くなんて…。いつも僕(受け)が泣かされているのに。そっと、近寄り受けは攻めの手を握る。攻めは泣いてばかりでこちらを見ようとしない。
※一部、表現に想像部分がございます。
………
今日みたいに、酷い雨の日だったね…
「タイちゃん、いい子にしててね?お母さん、お土産持ち切れないってお父さん迎えに行ってくるから!」
「あー、了解〜。つか、いい子って、俺もう高一だぜ?それより母さんの方こそ気をつけろよ、外スッゲェ雨音してるし真っ暗だ」
夕方だってのに、黒く重い雲、神様の号泣?ってくらい酷い雨。
母さんは、出張から帰ってくる親父を空港に迎えに行く、と夕飯のシチューの準備も半端に車で出て行った。
「…ったく…全部やってから行けっての」
学生結婚の両親は、子供の俺から見てもいまだに新婚か?って程アツアツで。
今日も帰って来たら、二人うざったいくらいにベタベタしあうんだろーなぁ、なんて思ってた。
一本の電話が、鳴るまでは。
『はい、弓削です』
『あ…こちら、警察の者ですが…』
…交通、事故?
両親の車が高速で事故った。
酷い雨でハンドル操作ミスった前の車に巻き込まれて……死んだ?
何言ってんの?
……………………
「…ユゲ、さん?…」
酷い雨音で目が覚めたら、ユゲさんがベッドからジッと窓の外を見て泣いてた。
俺が起きたのに気付いてない、涙が頬伝ってく…どした?
泣くの、俺の得意技じゃん。
とんないでよ…
ユゲさんの手をそっと握る
「…あ…起きた?…」
こっち、見ない。
でも、何笑おうとしてんの。
ダメだよ、無理したら…
俺は暖かい手を、ただ、きつく握る。
あ、指…。
指が、絡む。
ん、俺ここにいるよ…ここにいるからな…
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