BLで切ない話をお願いしますっ!-1-
知ってるよ。
俺、あんたのセフレだって。
ちゃんとわかってる…
…ちゃんと…
「…なぁ、次、いつ会える?」
「ん?…あー…そうだなぁ、ユウヤくんが俺のこと恋しくなったら?」
「…って、いつも俺がメールしても会ってくんないじゃん。…バカ…」
セックスした後の独特の空気と匂いが漂うベッドで、気怠い身体をネコみたいに丸くしたまま、俺はちゃっちゃと帰り支度をする、茶髪のゆるふわパーマ野郎の背中に罵声を投げる。
「あぁ、そりゃあ俺とユウヤくんの仲を妬んだ神様が、メール妨害してるから俺が見れてないんでしょー」
「……ソレ、この前も聞いた」
「あれ?そーだっけ?神様、妬み強いのかなぁ〜…」
なんて、ネクタイ締めながらのんびり言いやがって。
ムカつく。
…あんたに最初、惚れたのは、俺。
ゲイ専門の出会い掲示板で、募集かけたのも、俺。
『セフレ募集します。気楽にヤろうよ』
そう、セフレが欲しかったのも、俺。
でもさ、でもさ!
…まさか、返事があって、会ったそいつが激好みとか…
ある訳無いって思うだろ。
わかってるって、セフレはセフレで、ボーダー越えたら約束違反なんだってコトぐらい!
なんだよ、あいつ。
「また連絡するよ。それまで、浮気するなよ?大学生」
茶髪のゆるふわパーマでホストみたいな見た目の癖に、ビジネスマンよろしくかっちりスーツをしっかり着やがったあいつが、まだベッドでダラダラしてる俺の髪を掻き撫でる。
「…うっせ、オッサン…」
掌が暖かい。
ねぇ、眩しいんだけど…その笑顔。
「あはは、言うねぇ。それじゃあ、またな?ゆっくり寝てけ」
「…ん…、バイバイ…」
掌が離れてく。
かっちりスーツのあいつが、ドアへと向かってく。
あぁ、嫌だ。
…やだよ、バイバイしたくない…
−キィッ……パタン……−
「…帰んないでよ…ユゲさん……」
一人になったホテルの部屋で、俺は何回こう呟いただろう。
バカだよ、俺…。
片思いは、胸がキュってなるってよくいうけど
あれってホントだなんて…
初めて知ったよ…
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