受けの子が徹底的に落ち込んでいます。何があったんだと思いますか?そして攻めはどのように受けを慰めるでしょうか?
みっ…見られた!!
眩しい光と、身体の軋みに小さく唸るように、俺は目を覚ました。
「…ぅ、ん…」
テーブル?目の前にガラスの天板が…ヤベ、昨日変な恰好で寝たからか身体痛ぇ…んー…あれ??
クシャ…ってなんか音がして
音が、して……?…
−…ちょッ!!!これ、これっ、る、るーずりー…
そこで、一気に落胆した。
見られた…ユゲさんに、この、このっ、情けない手紙ッ!!!
身体に掛かる、煙草とユゲさんの香りがするスーツのジャケットが、あの人の帰宅を教えてる。
いつもなら、凄く安心するこの香りが、今日は無性に俺を焦らせる。
…どうしよう、この手紙…
本当は途中からもう、見せるつもり無かった。
なんか、書いてるうちに頭ん中ぐちゃぐちゃしてきて、そしたら涙出て来て…あぁ、ダメだ、書き直そうかな…でも本音だしとかぐるぐるして…
ぐるぐるしてたのに、そのまま…寝たんですか俺ッ!!!
あぁ、相変わらずバカだなぁ。
カーテンの隙間の日差しから逃れたくて、ジャケットを頭がすっぽり隠れるよう被ると、ガラステーブルにだらんと突っ伏し腕を投げ出す。
ユゲさん、きっと笑ったよね…。
あんたからは、あんなにグッとくる手紙貰ったのに、俺、こんな中途半端なのしか書けなくてさ。
…なんで、いつもこうなんだろ…カッコイイのはいつもユゲさん。バカやんのは俺…ボケツッコミの芸人か。
−ブーッ、ブーッ…
ん?何、携帯?
ジャケットから頭を出したら、目の前の携帯小窓に『弓削さん』の文字。
なんだよ、今ちょっとあんたの名前見ると凹むんですけどー…
『おはよう。昨日は早くに帰れなくてごめん。君が風邪引くと、俺が嫌だから勝手に上着掛けたけど、暑かった?(笑)
そうそう、今日帰りに飲み行こうぜ?ユウヤくんの好きそうな、カッコいーアメコミみたいなデザインアートのあるバー教えて貰ったんだ。
旨いもの食って、好きなもんと一緒に居たら大概のコトは忘れるって。な?決定。
仕事上がりにメールするから、鍵閉めてちゃんと来いよ(^^)v』
だって。
ホント、あんたってどこまで俺をバカにさせんの。
悔しいな。
悔しいくらい、大好きだ。
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