ラブレターを、書いて下さい。書式として、『○○へ―本文―差出人より』で、お願いします。-2-


『ユゲさんへ


この前は、手紙ありがとう。

手紙なんて、びっくりしたけど久しぶりにもらったからさ!なんか凄く嬉しかった。

ちゃんと大事に取ってあるよ、あれ。

ユゲさんからの大事なプレゼントだもんね、特別扱いだよ(笑)


俺の手でいいなら、いつだって貸すから。頼っていいよ。

あんた一人くらい、ちゃんと支えてやるからさ!

ナメんなよ、若さとパワー!


そうだ、あのさ…俺、今、就職か大学院に行くかぼんやり考えてて、院の準備もしてるけど、なんか最近バリバリ働くユゲさん見てたらカッコイーとか思っちゃって。

どうすりゃいーんだ、これ、てなってます。

他の奴らは、ちゃっちゃと行く先決めてて…いっそ女の子ならお嫁さん!とか出来るだろうけど、んな訳いかねぇし(笑)ちょっと焦ってんの。

て、こんなこと言われてもって感じだよねー。

ごめん。けどさ、だんだん周りに俺だけ取り残されてる気がして。

なんか…なんかさ……


                    』






…手紙はそこで止まっていた。
最後の言葉を、涙で滲ませて。


深夜半に帰宅した俺は、リビングのローテーブルに突っ伏して眠る、若さ溢れる泣き虫の恋人の書きかけ手紙を見て苦笑した。


バカだね、ユウヤくん。
いっそ女の子じゃなくても…お嫁さん、なればいいじゃん。
俺なら歓迎するよ。


けど、君がそんなことに、うん、って言わないプライドのある子だって知ってるユゲさんなんですよ?


だからこそ、その背中を押せるようになりたいって手紙に書いたの…ちゃんと覚えてるかな。




あれ、本気なんだぞ。














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