ときどきホワイトデー
(ジェイド+ニーシュ)




ジェイド
「一年越しとなってしまいましたが……あぁ、それは言わなくていいことですね。しかし職業柄そして性格上、物事をはっきりとさせておきたいので。融通がきかなくて困ったものです」

ニーシュ
「……軍人なんてはっきりしてねえだろ。国に従順な犬は都合のいいことだけに融通きくじゃねえか…」ボソッ

ジェイド
「おやあ?こんなところに新作の生物サンプルがありますねえ」

ニーシュ
「おまけに国民を脅すのも得意ときた。こりゃクーデター起きるわけだ」

ジェイド
「小言にしては大きな声ですね」

ニーシュ
「国に国民の声を届けるためでーす。しかし届くなんて珍しいこともあるもんだー」

ジェイド
「おやおや。この減らず口、どのような手で封じてくれましょうか」

ニーシュ
「まずはこの縄を解け。そしてすぐに俺を解放しろ」

ジェイド
「ああ、ちょうどいいところに綺麗な小箱が」

ニーシュ
「耳が遠くなったかおっさん」

ジェイド
「まだ35の若輩者ですよ」

ニーシュ
「聞こえてんじゃん」

ジェイド
「この箱の中身、気になりませんか?」

ニーシュ
「不気味だから開く必要ねえな」

ジェイド
「つれないですね」

ニーシュ
「安っぽい餌で俺が釣れるとでも?」

ジェイド
「はぁ、仕方ありませんね。では私が開けましょうか」

ニーシュ
「なかから溢れ出るのは絶望?それとも災厄か?」

ジェイド
「パンドラの箱ですか」

ニーシュ
「あんた自身がパンドラみたいなもんだろ」

ジェイド
「言い得て妙です」

ニーシュ
「自分で言うなよ…」

ジェイド
「しかしそうだとすると、最後に残ったのは?」

ニーシュ
「……希望?」

ジェイド
「そう、希望……ではないですか?」シャラ

ニーシュ
「…っそれ…!」

ジェイド
「偶然手に入ったものですが」

ニーシュ
「ンなわけないだろ!?ちょ、手!手ェ解け!!」

ジェイド
「嫌です」

ニーシュ
「っじゃあ、もうちょっと近づけて!よく見せてくれ!」

ジェイド
「はい、どうぞ」シャラ…

ニーシュ
「……わぁ…、すげえ綺麗……これ、ずっと欲しかったやつだ…」

ジェイド
「ライマでは有名なブランドのチョーカーらしいですね。知りませんでした」

ニーシュ
「あぁ、俺が好きなデザイナーの作品だ……」

ジェイド
「それはそれは」

ニーシュ
「ホワイトゴールドの細かくて柔らかなチェーンに控えめに埋められたエメラルドとトパーズ、この繊細なデザイン……あぁ、やっぱいいなぁ…」

ジェイド
「…ニーシュ、そろそろいいですか?」

ニーシュ
「もうちょい、まだ見てたい…」

ジェイド
「ダメです。時間切れです」ひょい

ニーシュ
「あっ…」

ジェイド
「これは見るためのものではありません。でしょう?」

ニーシュ
「俺にとっては見るだけでも至福だ…」

ジェイド
「そのような寂しいことを言わないでください。これは……あなたの首におさまるべきもの、なのですから」

ニーシュ
「ぇ、」

ジェイド
「ほら、着けて差し上げます」

ニーシュ
「え、ちょ…っ」

――カチ、

ジェイド
「……あなたの細首に、よく映える…」

ニーシュ
「ゎ、う、えぇ…」

ジェイド
「美味しいザッハートルテの、お返しです」

ニーシュ
「ぅぁ…そん、な…まじかよ……」かぁぁ

ジェイド
「よくお似合いです」

ニーシュ
「こん、な…高価なモン……あぁくそぅ…」

ジェイド
「鏡、見ます?」

ニーシュ
「っいい!いらない!……ぜってー、今ニヤけてんだろ…」

ジェイド
「そうですね。すごく可愛らしい表情になってます。贈り甲斐のある方で、本当に面白い」

ニーシュ
「人の反応見て楽しんでるとか、やっぱ性格悪いわあんた…」

ジェイド
「このようなことをするのは、あなただけですよ?」

ニーシュ
「へ」

ジェイド
「あぁ、忘れるところでした。おまけにこれも受け取ってください」

ニーシュ
「え、ちょ、なに」

ジェイド
「これは特注で作っていただいたチョコレート菓子です。あなた、作りはするくせに甘いものが苦手だと仰るので、面倒でしたがおまけなのでまあお気になさらず」

ニーシュ
「いやいやそうじゃなくて、俺だけって」

ジェイド
「プラリーヌでしたか。ボンボンショコラの方が知名度は高いですが内容物が液状らしいのでプラリーヌと言うらしいです。こだわりですかね」

ニーシュ
「ボンボンショコラと名付けた地域の作り方では固形物をチョコでコーティングしたものだからな。なかに液状物を入れるのはこの菓子の発祥地が主らしくてチョコで容器を作ってから内容物を入れるって製法だから、その人もそこにこだわっ…じゃない!それじゃなくて…」

ジェイド
「ではお一つどうぞ」グイ

ニーシュ
「ムぐ!」

ジェイド
「さあ咀嚼咀嚼」

ニーシュ
「むぐむぐ…」

ジェイド
「あなた的にはどうですか?」

ニーシュ
「む……っうまい!わ、すげえ花…バラか?香りがふわって広がって、口のなかはほどよい苦みが後を引いて……あー、なんか別世界…」

ジェイド
「お気に召しましたか?」

ニーシュ
「ああ!こんなの初めてだわ…もいっこくれ!」

ジェイド
「おやおや、欲張りですね」

ニーシュ
「むぐむぐ……ん〜〜」

ジェイド
「ニーシュ?」

ニーシュ
「これ、女性ウケいいだろうな。大人と、大人に憧れてる世代の。いやー勉強になるわあ!もいっこ!」

ジェイド
「はいはい」

ニーシュ
「ん〜〜〜!」

ジェイド
「……3つも食べて…今晩が楽しみですねぇ…」

ニーシュ
「ムぐ!!っげほ、げほ!っっなんか盛ったのか!!?」

ジェイド
「ああ、お気になさらず。もう一ついきますか?」ズイズイ

ニーシュ
「い、いらねえ!!つうかいい加減に縄解けええ!!」

ジェイド
「嫌ですよ。逃げられては楽しめませんから」

ニーシュ
「っちょっとでもときめいた俺がバカだった!!やっぱあんたは信用なんねえーー!!!」

ジェイド
「ははは、ときめいたのですか。これは役得ですねぇ」

ニーシュ
「あああもうやだああああああ!!!」泣






fin...








‐‐‐‐‐
1年越しのホワイトデー。
ジェイニーが好きです…(←

盛ったなにか→夜、目が冴えまくって寝られなくなるカフェイン的ななにかです(笑
ジェ「3つも食べたら完全に寝られませんよね☆お若いですしそれくらい平気でしょう☆私は安眠させていただきますがおっさんなもので」
ニー「っ根にもってんじゃねえええええ」涙
……みたいな(←

安定のギャグ落ち(←




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