ロイドとカイ
カイ「(此れは…危険、だな…)」フラフラ ガサッ
カ「(……はぁ…頭を強く打ち過ぎたか…血が止まらない……ぅ…)」
カ「(……此ればかりは仕方無い、な…。回復術を使うか…)」パァァ
ロイド「…っと!」ガサガサ
カ「ッ!?」
ロ「…ん?カイ?」
カ「、ロイド…何故此処に?」
ロ「採取の依頼。この辺りがいいって聞いてきたんだけど、迷っちまったみたいでさ。へへ」
カ「……先程の、その…見た、か…?」
ロ「へ?なにを?」
カ「いや、知らないのなら良い…」
ロ「つうかお前すげえ血出てないか!?治癒術使えないから手当てだけでもするぜ!」
カ「っ平気だ!今しがた完了した…っ」
ロ「そうなのか。痛くなったらちゃんと言えよ?
隣、座るな」ガサ
カ「………」
ロ「なぁ、お前一人で来たのか?」
カ「…ああ」
ロ「おいおい、こんなとこに一人で来るなよ」
カ「アンタも一人では無いのか」
ロ「う…。お、俺はいいんだよ!ほら、採取だけだし!」
カ「採取と言えども、魔物が居ない地など無い。嘗めて掛かると痛い目に遭うぞ」
ロ「今のお前みたいに?」
カ「…オレは平気だ」
ロ「どこがだよ。フラフラしてんじゃん。…先生が言ってたぜ、『カイが怪我を見せない』って。そういうの苦手なのかもしんねぇけど、心配されたくないなら心配されるようなことするなよ」
カ「………」
ロ「…へへ、俺が言える立場じゃないんだけどな」
カ「……?」
ロ「…俺も一人突っ走ってさ、先生とかクラトスに叱られてばっかなんだよ。俺は『このくらいなら大丈夫』『一人で楽勝』とか思うんだけど、それがまた心配かけちまうみたいで…。カイを見てたら、先生とかクラトスが見る俺もこんなのだったんだなーってわかってさ、今ちょっと反省してる」
カ「…オレはアンタが突っ走ろうが心配はしないぞ。アンタが決めて行動した事だ。オレがどうこう言える物では無いからな」
ロ「もしすげえ怪我して帰ってきても?」
カ「ああ。自身が招いた結果だからな」
ロ「うーん。それがわかんねえんだよな…。仲間なら心配するのが普通じゃねぇ?」
カ「………」
ロ「…お前が、まだ俺を“仲間”だと思ってないってこと、か」
カ「………」
ロ「そっかー…。はは、ちょっとショックかも」
カ「…あ、アンタは嫌いでは無い。否、大切に思っているぞ。ク…っ」
ロ「く?」
カ「…何でも無い」
ロ「嫌われてなかったか。サンキュ」
カ「……オレは、人間と接する事が苦手…なのだろうな」
ロ「そうなのか?」
カ「己の内へ他人に踏み込まれたくない。故に深く関わる事を避けている…オレは逃げているんだ」
ロ「…でも最初よりは俺ともみんなとも近づけてる。お前は逃げてなんかないさ。だろ?」
カ「…そうなのか…?」
ロ「ああ!今だって、自分のこと話してくれただろ。ちょっとびっくりしたけど、すげえ嬉しい。やっぱりお前も“仲間”だ!」
カ「“仲間”か…」
ロ「っ!」
カ「?どうした…」
ロ「い、いや、お前が笑ったとこ、初めて見たからさ」
カ「…そうか。笑った、か…」
ロ「悪い意味じゃないぞ!うん、いいと思う!我慢せずにこれからは笑え!な!」
カ「我慢をした覚えは無いが…(あの頃よりは少ない、か…)」
ロ「…お前と話せてよかったよ。気難しいやつかと思ってたけど、そんなことなかった。やっぱコニミケーションは大切だな!」
カ「……こみゅにけーしょん、な」
ロ「こみゅ、に?けーしょん?」
カ「ふふ、そうだ」
ロ「へへ、難しいな。あ、また笑ってくれた!」
カ「……五月蝿い」
ロ「…調子に乗るな、ってクラトスにもよく言われる。反省…」
カ「理解したなら良い。帰るぞ」ガサッ
ロ「わ、お前大丈夫なのか?」
カ「問題無い。道も知っている」
ロ「無理するなよ?気分悪くなったらすぐ言えな。おぶってやるから」
カ「有難う。平気だ」
ロ「あ、ああ…(ありがとう、って言うんだ…)」
カ「ロイドは良い奴だな…」
クラトス「……何があった」
カ「少し話しただけだ。アンタに似ず素直で眩しい、良い奴だ」
ク「……はぁ…」
fin...
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カイは治癒術を使えます。でも知られたくないので、人前どころか本当に危ないとき以外は使用しません。
ロイドはいい子ですよねー。
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