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「それに、…今日は仔遊(しゆ)が遊びにくるってさ。早く行かないともう来るかもよ?」
「……っ!行き、ます」
それを、はやく言え。
札をオーナーの手から奪いとって小走りで扉に向かう。
――ちりん、
「ちわーっす。遊びに来たよーん!」
俺の手が取っ手を掴むより先に、扉は開いた。
店に入ってきたのは、赤髪のチャラチャラした男。
「ん?染矢じゃねーか。いーところにいるな」
「っ!離、せよ仔遊。俺、今から買い出しに…」
「あ?買い出しぃ?んなもん、そこらへんのやつに任せとけよ。あ、オーナー、奥の部屋借りるね〜」
「…仔遊っ、オーナー!」
腕を掴まれ、ずるずると引きずられながらもオーナーに助けを求めた。
対するオーナーは、だから言ったろ?とでも言いそうな顔で楽しげに笑ってた。
「久々の染矢ー♪あーはやく喰いたい」
お願いだから、離してくれ
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