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ただっ広い校舎を出ると、校門が見えた。

一応私立の金持ち学園らしいから、無駄な空間が広すぎる。
校舎と校門の離れ具合には、毎日飽きずにいらつかせてもらっている。


「ぁー、もうちょっとじゃん」


この距離のどこがちょっとだ。
内心毒づきながらも、心にある違和感に気付く。


「――…?」


もわ、としたわだかまりに眉を寄せたとき、着信音が響いた

尻ポッケに差し込んである携帯を取り出して開く。


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あきゅろす。
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