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ふと目線を机に戻すと、小綺麗な消しゴムが小さな影をつくっていた。

使ったこともない消しゴム。
なんで出したのかもわからない、記憶にない。


その小さな存在がつくっている、これからのびていくだろうその影を、シャーペンでゆっくり縁取った。








「――あ」


いつもは誰もいないはずの席に、俯せる一つの影。

まあ放課後なんだし、誰もいないのは当たり前なんだけど、その席は授業中でもずっとからっぽ。


どーせまだ寝てるんだから、タオル返して貰うついでに起こしてあげようと屋上に向かってた途中。


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