誰かに聞いた怖い話
・・・山越えの道3
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『それにね、彼女には借りがあるんだよ、大きな借りがね…まっ、そんな訳だから君は気にしないで…それより皆が無事だと良いんだけど…何せ彼女の言う事だから』

彼は少し心配そうな顔をすると、買い物を続ける彼女と彼氏を見つめていました



『ええ…でも彼女は一体何者なんですか?実は…彼女に会うのは今日が初めてで…彼女の事は全く知らないんです』

『ただ…兄達の事は知っているみたいで…』



『彼女かい?彼女は僕の大学の後輩で、そして君達の先輩だよ』



『いえ、そう言う意味じゃあなくって、何か不思議な特別な力を持っている様な、そんな気がして…あなたは何か知っているんじゃないんですか?』

僕は先輩に疑問の全てをぶつけていた



『僕も彼女の全てを知っている訳じゃ無いから、はっきりとは言えないけれど…確かに彼女には、不思議な力が有るみたいだね』

『その力も、ある出来事が原因で身に着いたって聞いたけど…』



『そうですか』



『済んだわ、さぁ行くわよ』

話し込む僕達に、不意に彼女が声を掛けたのです


『何?私の顔に何か付いてる?』

僕達の遠慮が無い視線に気付いた彼女は、軽く睨み付けたのでした

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あきゅろす。
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