誰かに聞いた怖い話
・・・消えた仲間2
.
…それって、どう言う事…
…何故?
…何故…誰も私の問い掛けに答えてくれないのだろう…
…分からない…
…もしかして…もしかして私の事なのか?
掛ける言葉すら失った私は、友人達の顔を見つめるだけだったのです
高速で動くワイパーですら捌き切れない程雨足は強まり、僕は前方の様子を一瞬開く視界の中から掴むしか無かった
『兄ちゃん達は、何処に行ったんでしょう?』
そんなどうしようも無い焦りの中で、僕は答えを期待出来ない質問を、助手席に座る彼女に繰り返していた
『待ち合わせのキャンプ場は、こっちの筈だったんです…兄ちゃん達も場所を変更したんなら、僕の携帯に連絡くれれば良いのに…何で電話してくれなかったんだろう』
『大丈夫ですよね?』
『兄ちゃん達は、大丈夫ですよね?』
『…』
やっぱり彼女は黙ったままで、僕の質問には答えませんでした
そんな彼女が再び口を開いたのは、僕の運転する車が小さな轍にタイヤを落し、左側に車体を傾げた時だったのです
『分からないの…バイパスから林道に入る前は、あんなにハッキリと聞こえていたのに…ごめんね…分からないの…』
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