誰かに聞いた怖い話
・・・羊頭狗肉3
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『この話は…話すべきか話さぬべきか、ついさっき迄迷っていたんだけど…君が話した例のラーメン屋の話…あの話の時に、一寸似た様な話が出たから…』

私は院長の息子を見つめながら、話し始めました

でも、さっきの旅行好きの彼の意味深な言葉が、私の頭の中から離れ様とはしませんでした



…私に順番は回さないって、一体どう言う意味なんだろう?

…順番って何?

…現に私の話す順番じゃないか?

その疑問のいずれにも触れてはいけない…私の中の何かが、そう告げていました



『…少し前にも、表示とは違う材料を使って消費者を欺いていた、色々な食品加工業者が内部告発されたよね…』

『私の母方の田舎でも、昔似た様な話があったそうなんだ…その地元では名を知られた、大きな肉屋に関する食品偽装の話がね…』

私は不安と疑惑を押し殺して、話し続けました





『店の裏手に大きな加工場を持つその大きな肉屋は、肉汁たっぷりのメンチカツや挽き肉が多めのコロッケが旨いと評判で、近在の村々からも買いに来る程の人気を博していたんだよ』

『でも、その肉屋に勤める従業員は、決して自分のお店の商品は買わないんだ…特にそのメンチカツは…』

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あきゅろす。
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