誰かに聞いた怖い話
・・・火の玉9
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その集落にたった一つしかない寺の住職は、こう言う事態が発生するかも知れない事を、歴代の住職達の書き付けから知っていました
書き付けとは言っても、それは単に覚書き程度のメモ書きでは無く、今で言う所の日記帳の様な物でした
その中の一文に、今回の様な出来事の記載があったのです
もっとも、それを見る事が出来たのは、寺でも代々の住職のみで…その事を知っている者は、他にはいなかった筈なのです
ですから、その事についての問い合わせが警察からあった時に、住職は耳を疑ったのです
本当にそんな事がある筈は無いと…その集落にたった一つしかない寺の住職は、こう言う事態が発生するかも知れない事を、歴代の住職達の書き付けから知っていました
書き付けとは言っても、それは単に覚書き程度のメモ書きでは無く、今で言う所の日記帳の様な物でした
その中の一文に、今回の様な出来事の記載があったのです
もっとも、それを見る事が出来たのは、寺でも代々の住職のみで…その事を知っている者は、他にはいなかった筈なのです
ですから、その事についての問い合わせが警察からあった時に、住職は耳を疑ったのです
本当にそんな事がある筈は無いと…
けれども住職は承知しました
つい先日、山沿いの斜面にある墓地の中で、気を失ったまま保護された子供の為に…
ガツン!
こんもりと盛り上げられた土にスコップが入ってから、いったいどれくらいの時間が経ったのだろうか?
不意に先程迄の軟らかい土に変わって、鋼の刃が何か硬い物にぶち当たり、掘り下げられた穴の中に乾いた音を立てたのです
警察官と例の子供と数人の檀家の世話人とを含む見学者と、此の間仏様を埋葬した墓を掘り返す男達の目の前に、穴の中から掘り起こされたばかりの棺桶が顕れたのです
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