誰かに聞いた怖い話
・・・火の玉2
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『そのお祖父さんが小さな頃と言うから、勿論僕達は…いや、僕達の両親すら生まれていない時代の話しさ』
そうして彼は瞼の裏側に昔の情景を思い描こうとしたのか、眼を閉じ黙りこくってしまったのです
そして私達は待ちました
薄暗さの中、焚き火の炎の揺らめきに照らし出された、彼の瞼が再び開くのを…
その当時の慣習としては至極当然の事として、村人の誰かが亡くなっても現代の様に火葬にされる事は、滅多にありませんでした
特別な事情が無い場合、そのまま遺体を棺桶に入れ、土葬にふされるのが常だったのです
その為遺体は、ゆっくりと長い月日を掛けて土に返っていったのです
ところが何か特別な事情により、亡者の眠るその墓を掘り返さなければいけない…そんな場合をありました
そうしてそんな中には、信じられないモノを見せ付けられる場合もあった様です
此の場合もそうでした
友人の祖父が子供の頃に体験したと言う話が、そんな話の一つだったのです
『その日、僕の祖父は近所の同じくらいの年齢の友達と、自分の家の裏山に遊びに行ったそうなんだ』
『季節は丁度、青々と繁る樹々の葉がその色をくすませる頃だった』
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