誰かに聞いた怖い話
パーキングエリア2
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『う〜ん…!』

二人揃って伸びをしながら、運転で凝り固まった筋肉をほぐしてゆく…

千葉は暖流の影響で割りと暖かいと学校の授業で教わった記憶があるが、夜ともなると結構冷え込むものだ

そのパーキングエリアは施設こそトイレと自販機が纏めて設置されている場所、何て呼ぶんだろう?

軽食コーナーとでも呼ぶんだろうか?

そこだけが暗い駐車場の中にあって、唯一のオアシス!

唯一の人間の住む所の様な気がして…

…ふと、いつもの自分の柄じゃ無いセンチな考えをしている自分に苦笑いをしていた俺に、弟は訝しげな視線を投げ掛けたが俺は気が付かないふりをした

それから俺達は缶コーヒーを買おうと、暗く広い駐車場を光の塊めがけてゆっくりと歩いて行った…

缶コーヒーを飲みながら暗い駐車場を眺めていると、遠くから聞こえて来るディーゼルエンジンの轟音と一筋の光の束が、ゆっくりと本線と駐車場を結ぶ道を照らし出して行くのが見える

その光は俺達の車の脇を通り抜け…大型車専用のスペースに停車すると、エンジンはかけたままでライトを消した…

そして暫くの後、手に白いものを持った男が、一歩また一歩とこちらに歩いて来るのが見えた…

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あきゅろす。
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