誰かに聞いた怖い話
・・・深夜の客4
.
…何か、少し薄気味悪いな…



…それとも、何かあったのかな…



…まぁ、良いか…



…いや、良くないか…



彼は真っ暗な外を眺めているだろう女性の事を考えながら、くねくねと続く山道を見事な運転で走り下りていました



…それにしても、無口な女の子だな…



…彼女が口を開いたのは、あの時ただの1回だけだもの…



…しかも、耳を澄ませなければ聞こえない程の、囁く様な小さな声で…



…でも、あの辺りに…



そうなのです、その少し薄気味悪い無口な女の子が目的地として告げた場所は、普通の人がこんな時間に訪れる様な場所では無かったのです

勿論、此の娘を拾った山の中の停留所でさえ、こんな時間に人が…それも若い女性が居る筈が無いのです



何もかもがおかしかったのに、それに気付かぬ男も既に魔に魅入られていたのでしょう



『お客さん、もうそろそろ着きますけど…本当に此所で宜しいんですか』



『…』



『…此の近くに、お住まいなんですか?』『…』



『…』

…本当に変な人だな…



…此所から一番近い家って言うと…あっ!あの家の娘かな…でも、あの家には確か…

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あきゅろす。
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