誰かに聞いた怖い話
パーキングエリア
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『おい、運転疲れたろ…次のサービスエリアで休憩するか?』
『うん、兄ちゃんそうするよ!』
俺が弟に声をかけると、弟が即座に切り返して来る…
本当は俺が前日のコンパで遅かったので、眠くてコーヒーでも飲みたかったのだ…
弟はアクビばかりしている俺を見て、有料道路に入る前に運転を買って出ていた…
本当に俺に似ず気が利く奴だ…
そんな事を眠気と戦いながら、ぼんやりと考えていた…
『チッ! 兄ちゃん、ミスった! これじゃ左に入れないよ…』
弟の舌打ちと言葉にハッと我に返ると、車は暫く前から追い越し車線を快適に走っていた筈だが…いつの間にか混んで来ているみたいだった…
当然、こちらよりも左車線の車の数が、少し前から増えて来ていた…
睡魔に襲われていて鈍くなった頭で、ぼんやりと気付いてはいたのだ…
頭の何処片隅で…何か事故でも有ったのかな?
そう考えてはいたのだが…
『仕方ないから、次のパーキングに入ろう…』
そう弟に答えたその時に、これから起ころうとしている悪夢が既に始まっていたのだと…その時の俺にはまだ判らなかった…
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