誰かに聞いた怖い話
・・・疑惑から疑心へ20

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『皆も気を付けろよ、良い女にほいほい尻尾を振ってついて行くと、後で取り返しがつかなくなるかも知れないからな…勿論、その逆の場合もそうなんだけどな…』

車好きの彼はそう付け加えてから、手にしたコップの中身を飲み干そうと口に近付けたのです



『なる程ね…男じゃあなくて女ね…若い可愛い女の子なら男なら鼻の下を伸ばすってかぁ…んっ?ところでさぁ、例の掲示板の男の方の書き込みは、一体誰の携帯電話から書き込まれていたんだ?』

『勿論、予想で…だけど』



『あぁ、それはな…勿論、ブルーシートのテントの残骸の中に無造作に転がっていた携帯電話の一つで、多分あの樹海の中で死を選んだ誰かの持物だったんだろうけどな…流石にその持ち主が誰だかは、その人には分からないみたいだけどな…』

『それに…警察にしたって、その穴に落ちていた骨がどの様にしてそこに落ちたのかは、簡単には分からないんじゃないの?推測だけで…』

『それに樹海の中の遺体は獣や虫が喰い荒らして、そのままの姿で見つかるのは余り無いんだろうしな…だからさ、丁度その掲示板に書き込みをしたその当時に、上手い具合に手に入れた獲物の持物だったんじゃないの…多分』

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