誰かに聞いた怖い話
・・・疑惑から疑心へ19
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『実はそのテントの中には、さっき言った品々の他にも生活用品…例えば寝袋等が二つあったんだとさ…まぁ他にも色々あるけど、別にそんな事は詳しく説明しなくても良いよな』

友人の問い掛けに、彼はそう答えたのでした



『でも、寝袋や細々した生活用品なんて、その男が予備に用意していた品物だって事も考えられるんじゃないのか…第一、自殺を図ろうと樹海の中に入った男がさぁ、他の奴と生活なんかするかな…俺には理解出来ないな』

サーファーの彼は、車好きの彼の意見には何かしらの違和感を感じたらしく、更に自分の意見を述べたのです



『そうは言ってもなぁ…』



『だってさ、男同士だろう…そう言う関係ってやつの…俺なら堪え切れないや』

サーファーの彼は嫌悪感を顕にして更に述べ様としたのですが、その彼の言葉を遮る様に車好きの彼は一言呟いたのでした



『誰が男だって言ったよ…俺はもう一人とは言ったけど、別に男だとは言わなかった筈だよ』

そして唖然とする私達に向かって、こう締め括ったのです



『もし、あの辺りで一緒に…なんて誘われても、鼻の下を伸ばしてついて行くなよ…それが食人鬼の片割れかも知れないんだからな』

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あきゅろす。
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