誰かに聞いた怖い話
・・・百人浜13
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『まぁ…どれも此も噂話や言い伝えの範疇で、何もはっきりとはしないのが多いよね、この手の話は…』

そう言ったのは、病院長の息子でした



『そうだよね、でも…分かる方が珍しいんじゃないのかな?僕達がそうだと思っている事も、見かたを変えると本当は全然違うのかも知れないしね』

旅行好きの彼は、独り言の様に呟きました

そうして、こうも付け加えたのです



『何せ、僕達みたいな普通の人間には、その存在が見えないからね…』

『現に今だって、此所に…僕達の目の前に何かが居ても、全然おかしくないよね…この場所では、数年前に四人も亡くなって居るんだし…』



『まぁ、そう言われればそうかな…昔はそこかしこで戦が行われていたから、何々古戦場跡とか、何処そこ城址なんて言うとさ、凄い数の人が亡くなってる筈だろ…大体さぁ、公立の小中学校の建って居る場所ってさぁ、殆どがお城の在った場所だよね?』



『だからかぁ…学校で怪談話が多いのは…』

病院長の息子にそう相槌を打ったのは、旅行好きの彼でした



『君の話は終わりかな?それなら、僕が話しても良いよね?』

病院長の息子は、サーファーの彼にそう尋ね掛けたのです

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あきゅろす。
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