誰かに聞いた怖い話
・・・羊頭狗肉4
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『丁度その肉屋の裏手の加工場脇には、子供達が遊ぶのに絶好の空き地があったんだけど…そこで遊ぶ事はきつく止められていたそうなんだ』

『多分、近所の人達は薄々知っていたんだと、私はそう思うんだけど…その肉屋の秘密にね…』





その路地の壁に張り付いた少女は、子供一人が横になりやっと通れる位のその狭い路地が、例の加工場の裏手に密かに出られる事を誰かに聞いて知っていました

大人達はどう足掻いても通る事が出来ない狭い路地の為、肉屋の脇を通る小道の様に木造の柵も設けられてはいなかったし…肉屋で働く恐いおじさんが見張っている事もありませんでした

その為少女は目撃してしまったのです…あの光景を…





その少女は一人、困り果てていました

少女は狭い路地から抜け出る為に、身体の向きを横向きに変え…まるで蟹の様な格好で、その細い華奢な身体を狭い路地にぴたりと張り付けたまま、前にも後ろにも動けなくなっていたのです

少女が狭い路地に足を踏み入れてから、どの位の時間が経ったのでしょうか

既に陽は西の山並みに傾き、辺りには夜の気配が立ち込めていたのです

そして少女を悩ませていたのは、それだけでは無かったのです

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