誰かに聞いた怖い話
・・・山越えの道11

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この時点ではまだ、僕はその事実に気付いてはいませんでした…

いいえ…その事については全然知らなかったのです



この幹線道路の事故で亡くなった三人の犠牲者と、兄達との因縁めいた関係には…



事故に遭った車を運転していた男性が僕の兄とは同い年であり、今回兄に同行した友人の一人と無二の親友と呼ばれる仲で、先頃亡くした婚約者の両親を自分の車に乗せ、数年前に亡くなった婚約者の実の姉や先祖が眠る、遠い故郷のお墓参りへの帰り道だった事も…

この時の僕は、まだ何も知らなかったのでした



…どうして、そうなるって分かったんですか?

そして僕は、口から出掛かったその言葉を、再び飲み込んでいたのです



『さぁ!この山を越えて右に曲がれば、後はキャンプ場迄は一本道の筈よ、山道を下った所で車の位置を交代して頂戴、私が道案内するわ』

助手席に座る彼女はそう言うと、まるで暗い車外に目を向けるのを避ける様に、シートに深くもたれ掛け目を瞑ったのでした

そして僕は電球の明かりすら無い、真っ暗な山道の一部分だけを照らし出す光の束と、前を走る四駆のテールランプの明かりだけを頼りに、暗く寂しい山道を走り続けていたのです

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