誰かに聞いた怖い話
・・・ミーコ2
.
『この話を始める前に、俺はこの二人の事を話して置かなければいけないな…』

走り屋の彼はそう呟くと、ぽつりぽつりと話し始めた





彼奴とミーコの二人の付き合いは、高校二年生の時にミーコが、俺達の学校に編入して来て以来の付き合いだった

とかく転校生は苛めの対象になり易く、ミーコもその口だったのだが、どういった風の吹き回しか硬派でならした彼奴が、ミーコの事を事ある事にかばった為に、いつしかミーコへの風当たりも収まっていった

そんな事から、彼奴とミーコが親密な関係に成るのは、とても自然な事だったんだ

やがて俺達にも高校を卒業する日が訪れ、その日彼奴は、就職をしてミーコを迎えに行くんだと、それ迄ミーコが待っててくれると約束してくれたと、まるで汚れを知らない少年の様な、キラキラと輝く瞳をして語ってくれたんだ

俺はその時、少し羨ましく感じながらも、彼奴とミーコの幸せを祈っていた

そして彼奴等は、その後も順調に付き合っていて、近い内に式を挙げる筈だったんだ…今日はその日の打ち合わせの為に、彼奴と待ち合わせていたのだ





『どういう事だよ、ミーコは何処だよ』

『冗談だろ?ミーコは表に居るのか?』

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