誰かに聞いた怖い話
・・・古都3
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『その地にも他の土地同様、色々な伝説や言い伝えが残されているんだけど、その内の一つに…こう言う話があるんだよ』

『その昔、云われ無き謀反の疑いを掛けられて、一族郎党の悉くが皆殺しにされた話が…』

『勿論、本当に謀反を企てていたのか、誰かに…そう、権力争いの相手に罠にはめられたのかは、僕にはわからないけど…』

『まさか自分が攻められるなどとは、少しも思ってはいなかった彼等は、突然屋敷を軍勢に囲まれて逃げ場を失い、夜空に流れる流星の如く火矢を射掛けられて、燃え盛る炎に屋敷と共に身を焼かれ、煙にまかれて逃げ出す無抵抗の女子供達ですら、槍で身体を突き通し…刀で身体を断ち割られ…その首を褒美の代償にと斬り取られて…』

『そんな悲惨な出来事が…数々起こったんだよ…』

『そして、その屋敷が建っていた跡地付近では、今でも霧が深い明け方頃には…出るんだそうだ…夜討ちの行われた時刻頃に…無念の最期を遂げた彼等の怨霊が…』



『それじゃあ、その怨霊が写真に写ったのか?』

走り屋の彼が、そう尋ねていた



『いや、流石に僕でも行けなかった…夜にはね』



『じゃあ…何処で撮ったんだよ』



『実はね…』

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