誰かに聞いた怖い話
・・・その後に5
.
どの位の時間がたったのか、私には全然わかりませんでした

私はそこに何も居ない事を祈りながら、恐る恐る目を開けてみたのです





『!』

私の目の前には、見知らぬ蒼白い子供の顔がありました…

その子は私の枕元に座り込んだまま、私の顔を覗き込んでいたのです

そして私の口からは、悲鳴があげられる筈でした…

しかし…実際には、いつからそうなっていたのか私にはわかりませんが、私の身体は…金縛りとでも云うのでしょうか…硬直してしまっていて、腕を動かすどころか…指の一本すら動かす事が出来なかったのです

そして勿論…声をあげる事すらも…





…誰か、助けて…誰か…

私はそう叫んだつもりでした…しかし、私の口から漏れたのは、悲鳴とは似つかない空気の漏れる様な音だけだったのです



『あそぼっ』

心の中で必死に誰かに助けを乞うていた私の耳に、その子が不意に語り掛けて来たのです



…助けて…いや…誰か…

私は声にならない叫びを、あげ続けていました

その時です!

この離れ一帯に響き渡る様な、悲鳴が聞こえたのは…

その悲鳴を聞いた途端、その子の顔がみるみる内に恐怖に歪んだ様に変わったのです

[前頁へ][次頁へ]

19/97ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!