誰かに聞いた怖い話
・・・その後に5
.
どの位の時間がたったのか、私には全然わかりませんでした
私はそこに何も居ない事を祈りながら、恐る恐る目を開けてみたのです
『!』
私の目の前には、見知らぬ蒼白い子供の顔がありました…
その子は私の枕元に座り込んだまま、私の顔を覗き込んでいたのです
そして私の口からは、悲鳴があげられる筈でした…
しかし…実際には、いつからそうなっていたのか私にはわかりませんが、私の身体は…金縛りとでも云うのでしょうか…硬直してしまっていて、腕を動かすどころか…指の一本すら動かす事が出来なかったのです
そして勿論…声をあげる事すらも…
…誰か、助けて…誰か…
私はそう叫んだつもりでした…しかし、私の口から漏れたのは、悲鳴とは似つかない空気の漏れる様な音だけだったのです
『あそぼっ』
心の中で必死に誰かに助けを乞うていた私の耳に、その子が不意に語り掛けて来たのです
…助けて…いや…誰か…
私は声にならない叫びを、あげ続けていました
その時です!
この離れ一帯に響き渡る様な、悲鳴が聞こえたのは…
その悲鳴を聞いた途端、その子の顔がみるみる内に恐怖に歪んだ様に変わったのです
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