誰かに聞いた怖い話
・・・その後に3
.
やはり…私の聞き間違いではありませんでした…

確かに部屋の奥の方から、クローゼットの方から…あの扉が開く様な音が聞こえてきました

でも、幸いな事にクローゼットのある場所と云うのは、この部屋の中で私が横になっていた場所からは、一番遠い位置にあるのです

私は布団の中から、そっと…クローゼットの方を窺っていたのでした…

私は部屋の中で唯一の灯り…小さな豆球が照らし出す薄暗い室内の中に満ちた、禍々しい嫌な気配を感じ取っていたのです…



ギギィー…

その聞こえて来た音からして、とうとうクローゼットの扉は開ききったみたいでした

私は自分でも信じられないのですが、首を反らす様にして、上目使いにクローゼットの方を見ようとしていました

怖いもの見たさとでも云うのでしょうか…

その時私の頭の中では、見たくない気持ちよりも…それが何なのか確かめたい気持ちの方が、勝っていたのです



ふわり…



薄暗い室内に目を凝らしていた私の、視線の先にぼんやりとしたモノが映ったのです

丁度クローゼットの側に寝ている部員の、枕元辺りでした

大きさは…私の腰の辺り迄しかありませんから、多分小学校の低学年でしょうか…

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