誰かに聞いた怖い話
・・・現れたモノ達7
.
『そんな事無いよ、あんたも結構…』

『そうですよ先輩、先輩も結構おっきいですよ』



『…あっ!』

『あんた達、いつまで人の胸を…』

私は後ろから抱きついていた親友を振り解くと、湯船からあがり洗い場へと向かおうとしました



『先輩…良いなぁ…おっきくて…』



『あ、あなたもなの…』

私は続く新入生の言葉に、満更悪い気はしませんでした





それにしても…本当に何なんだろう?

私はそう考えながら、シャンプーの良い香りを楽しみ、泡立った髪を洗い流していたのです…

そして髪の泡立ちも、殆んど洗い流し終えた頃です



『アッ!』

私の背中を誰かの指が、そっと撫でる様に触った感じがして…私の身体はビクンと反応してしまっていたのでした



『ちょっと誰よ!悪戯するの…いい加減にしなさいよっ!』

目に入るお湯を拭いながら、そう言って後ろを振り返った私の瞳に映ったのは…

私からは大分離れた場所で、二人して新入生に戯れあっている、三人ひと固まりの姿でした

そしてやや間があって、三人の言葉が返って来たのです



『どうしたの?』

『何かあったんですか?』

『先輩どうしたんですか?』

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あきゅろす。
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